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Monday, August 30, 2021

ティラノの下あご、高感度センサーだった? 研究で判明 - 朝日新聞デジタル

中田和宏

 肉食恐竜ティラノサウルスは、下あごをつかって子どもをくわえて運んだり、獲物の骨と肉を分けたりしていた? 福井県立大学恐竜学研究所の河部壮一郎准教授(35)が下あごの骨をCTスキャンで調べ、先端ほど神経が複雑に枝分かれした跡を確認。極めて感覚の鋭い「触覚センサー」を持っていたとする研究結果を発表した。

 河部准教授は2020年1月、福井県立恐竜博物館が所蔵する左下あごの化石(全長89センチ、幅10センチ、高さ28センチ、米国モンタナ州出土)をCTスキャンで調べ、骨の中にある、血管や神経が通る管(血管神経管)の形状を初めて可視化した。角竜や鳥脚類恐竜と比べて血管神経管が複雑で、あご先ほど枝分かれし、神経の密度が高かったことがわかった。

 その密度は、あご先に極めて鋭い感覚を持つとされるワニと同程度だという。ワニは、あご先で卵を割って孵化(ふか)を助けたり、子どもをくわえて運んだりする。さらに、水温や水流の微妙な違いを感じ取るセンサーの役割を果たしていることも知られている。

 河部准教授は「ティラノサウルスも、下あごの繊細な動きで子どもをくわえて運んだり、獲物の肉と骨を区別して食べたりしていたのかも」と推測。「生態の新しい一面に近づけたのではないか」と話す。

 ティラノサウルスは、白亜紀末期(6800万~6600万年前)、現在の北米大陸に生息。化石の状況から、最大で、全長12メートル以上もの巨体を2本脚で支えて歩いていたとされる。脳を守る頭蓋骨(ずがいこつ)上部についての研究例は多いが、下あごの詳細な調査はこれまでなかったという。

 研究成果は8月23日、英国の古生物学学術誌「ヒストリカルバイオロジー」の電子版で公開された。(中田和宏)

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